レポート[report]

2017.
12.15

ジュリスティックス通信 2017.12

ジュリスティックス通信 2017.12

初の1,500人台となった70期司法修習終了者の就業状況

 本日、70期司法修習終了者の弁護士登録状況を確認し、ジュリスティックスでは初めて一括登録時点での就職動向を調査しました(例年は1月末時点、4月末時点、6月末時点の登録状況を調査)。一括登録時期においては例年2~3割の修習終了者が弁護士未登録なため、調査対象としておりませんでしたが、今年は5大事務所の採用増が見込まれたため一括登録時点の弁護士登録状況を調査することに致しました。


■ 70期司法修習終了者の就職状況
70期
(2017年12月15日時点)
69期
(2017年1月末時点)
68期
(2016年1月末時点)
司法試験合格者 1,583 1,850 1,810
司法修習終了者 (2018年1月官報掲載予定) 1,762 1,766
弁護士登録者 1,075
1,472
1,408
弁護士未登録者
142
191
法律事務所所属
(組織内弁護士・即独推定者を除く)
1,020
(94.9%)
1,376
(93.5%)
1,320
(93.8%)
組織内弁護士
(企業・公的機関・その他団体)
43
(4.0%)
63
(4.3%)
62
(4.4%)
即独推定者 12
(1.1%)
33
(2.2%)
26
(1.8%)

 *%は弁護士数に対する割合

 70期司法修習生終了者の正式な人数は、まだ官報に掲載されておりませんので不明ですが、当該修習期相当の昨2016年司法試験合格者は1,583名でしたので、例年の動向から推測すると1,500名強になると思われます。


 この1,500名強のうち、例年通りであれば裁判官、検察官の採用数が160名前後になります。弁護士登録者は上記の通り1,075名ですので、未登録者数は約250~300名(16.7~20.0%)と推測されます。
 69期は、一括登録時点で司法修習終了者1,762名に対し未登録者が416名(23.6%)でしたので、一括登録時点での弁護士未登録者は減少する見込みです。



5大事務所採用数、前年比約20%増

■ 5大事務所新人弁護士採用人数 期別推移

 *62~69期は各年1月末時点、70期は2017年12月15日時点


 また、法律事務所の採用動向の指標となる5大事務所は、新人弁護士の供給が大幅に減少する中、昨年の156名(2016年1月末時点)から30名増の186名となり、前年比約20%増と大幅な増加となりました。
 これで6年連続の採用数増となり、企業法務、渉外案件の拡大の影響が如実に表れた結果と言えるでしょう。


 企業、公的機関、その他団体の弁護士登録につきましては、1月就職、4月就職の方が多いため、これから4月にかけて登録者が増えてくる見込みです。


 次回は1月末時点の登録状況を調査し、法律事務所全体、インハウスローヤーの就職動向、弁護士会別の就職状況等のデータをご案内して参りますので、ご期待ください。また、昨69期の司法修習終了後(1月末時点)の就業状況の詳細はをご覧になりたい場合はこちらの記事をご覧ください。


加速する東京一極集中

■ 弁護士会別採用人数と割合の推移
弁護士会70期69期68期
東京210 (19.5%)328 (22.3%)276 (19.6%)
第一東京199 (18.5%)204 (13.9%)199 (14.1%)
第二東京198 (18.4%)214 (14.5%)233 (16.5%)
大阪114 (10.6%)156 (10.6%)166 (11.8%)
愛知県60 (5.6%)84 (5.7%)78 (5.5%)
福岡県43 (4.0%)45 (3.1%)49 (3.5%)
神奈川県34 (3.2%)57 (3.9%)59 (4.2%)
埼玉27 (2.5%)27 (1.8%)31 (2.2%)
千葉県25 (2.3%)30 (2.0%)26 (1.8%)
札幌19 (1.8%)28 (1.9%)25 (1.8%)
京都18 (1.7%)26 (1.8%)26 (1.8%)
兵庫県16 (1.5%)31 (2.1%)29 (2.1%)
群馬13 (1.2%)13 (0.9%)8 (0.6%)
静岡県11 (1.0%)16 (1.1%)15 (1.1%)
岡山9 (0.8%)16 (1.1%)13 (0.9%)
仙台8 (0.7%)13 (0.9%)12 (0.9%)
茨城県7 (0.7%)12 (0.8%)12 (0.9%)
金沢6 (0.6%)6 (0.4%)5 (0.4%)
栃木県5 (0.5%)10 (0.7%)3 (0.2%)
広島4 (0.4%)22 (1.5%)22 (1.6%)
熊本県4 (0.4%)7 (0.5%)5 (0.4%)
宮崎県4 (0.4%)7 (0.5%)4 (0.3%)
滋賀4 (0.4%)1 (0.1%)0 (0.0%)
三重3 (0.3%)9 (0.6%)6 (0.4%)
新潟県3 (0.3%)8 (0.5%)7 (0.5%)
山口県3 (0.3%)7 (0.5%)10 (0.7%)
香川県3 (0.3%)3 (0.2%)9 (0.6%)
沖縄2 (0.2%)10 (0.7%)9 (0.6%)
福島県2 (0.2%)9 (0.6%)8 (0.6%)
奈良2 (0.2%)7 (0.5%)2 (0.1%)
大分県2 (0.2%)5 (0.3%)4 (0.3%)
長崎県2 (0.2%)4 (0.3%)2 (0.1%)
富山県2 (0.2%)3 (0.2%)1 (0.1%)
愛媛2 (0.2%)2 (0.1%)6 (0.4%)
岐阜県2 (0.2%)2 (0.1%)2 (0.1%)
鳥取県2 (0.2%)1 (0.1%)1 (0.1%)
鹿児島県1 (0.1%)11 (0.7%)8 (0.6%)
和歌山1 (0.1%)2 (0.1%)5 (0.4%)
福井1 (0.1%)2 (0.1%)3 (0.2%)
岩手1 (0.1%)1 (0.1%)3 (0.2%)
山梨県1 (0.1%)1 (0.1%)2 (0.1%)
釧路1 (0.1%)0 (0.0%)3 (0.2%)
長野県0 (0.0%)7 (0.5%)6 (0.4%)
山形県0 (0.0%)6 (0.4%)1 (0.1%)
佐賀県0 (0.0%)4 (0.3%)4 (0.3%)
青森県0 (0.0%)4 (0.3%)2 (0.1%)
徳島0 (0.0%)4 (0.3%)2 (0.1%)
旭川0 (0.0%)3 (0.2%)5 (0.4%)
島根県0 (0.0%)2 (0.1%)0 (0.0%)
秋田0 (0.0%)2 (0.1%)0 (0.0%)
函館0 (0.0%)0 (0.0%)1 (0.1%)
高知0 (0.0%)0 (0.0%)0 (0.0%)
総計1,0751,4721,408
(*70期は2017年12月15日時点、69期と68期は各年1月末時点)

 弁護士会別の採用人数については、東京三会の採用人数合計の割合が70期56.5%となっており、69期50.7%、68期50.3%から約6ポイント上昇していました。これから1ヶ月で地方弁護士会の登録が進む可能性もありますが、恐らく例年よりも東京への集中が顕著に表れてくると予想されます。



インハウスローヤー採用常連企業が並ぶ

■ 70期弁護士採用企業
社名都道府県採用数
ヤフー株式会社東京都2
株式会社三井住友銀行東京都2
株式会社三菱東京UFJ銀行東京都2
住友電気工業株式会社東京都2
双日株式会社東京都2
大塚製薬株式会社東京都2
KPMGコンサルティング株式会社東京都1
エーザイ株式会社東京都1
グンゼ株式会社大阪府1
サムコ株式会社京都府1
岡谷鋼機株式会社愛知県1
株式会社FastFitnessJapan東京都1
株式会社FRONTEO東京都1
株式会社NTTドコモ東京都1
株式会社SCREENホールディングス京都府1
株式会社TID東京都1
株式会社コナミデジタルエンタテインメント東京都1
株式会社トライテック新潟県1
株式会社三嶋亭京都府1
株式会社長栄京都府1
三菱UFJ信託銀行株式会社東京都1
三菱重工業株式会社東京都1
住友化学株式会社東京都1
前田建設工業株式会社東京都1
朝日生命保険相互会社東京都1
東海旅客鉄道株式会社東京都1
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社東京都1
日本新薬株式会社京都府1
豊田通商株式会社東京都1
総計35
(*2017年12月15日時点)

 今年もヤフー株式会社を筆頭に、メガバンク、総合商社らが新卒弁護士を複数名採用しています。また、京都の企業が積極的に新卒弁護士を採用している傾向が見られます。


 本日付の日本経済新聞に「インハウス弁護士 重視 企業法務・弁護士調査2017年 企業の半数、増員を計画」という記事もございましたが、上場企業を中心に弁護士/法務人材の採用が益々拡大していくことが見込まれます。しかしながら、ご承知の通り司法試験合格者数が減少し、新卒弁護士の供給数は逼迫した状況となっております。今後、企業の新卒の弁護士採用は競争が激化し、また、中途採用、特に大手企業法務系事務所出身の弁護士のインハウスローヤーへの転職が増えてくるでしょう。



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出典・免責事項・引用・転載等について
1. 本調査は、2017年12月15日時点の日本弁護士連合会等の公表データをもとに作成しています。また、69期以前の司法修習生採用数については、過去のジュリナビ運営事務局調べ 「司法修習生進路調査速報」等より引用しています。
2. 本調査はできるだけ正確性を保つよう合理的な努力をしましたが、所属弁護士数は日々変動し、かつ異動情報がタイムリーに日本弁護士連合会に提供されるとは限らないため、調査結果について完全性、正確性を保証するものではありません。
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