レポート[report]

2017.
10.11

ジュリスティックス通信 2017.10

ジュリスティックス通信 2017.10

■INDEX ■

[1] 10/11付日本経済新聞 電子版 法務インサイド「新人弁護士「青田買い」過熱 合格前に内定も」記事のご案内
[2] 2017年 法科大学院修了生採用マーケットの動向
[3] 立命館大学法科大学院との連携協定締結について
[4] 「社内弁護士・法務人材採用セミナー/個別採用相談会」のご案内

 *ジュリスティックスは、毎月1回、弁護士・司法修習生・修了生のご採用に関する情報をメールマガジンにてご案内しております。ご登録はこちら



[1] 10/11付日本経済新聞 電子版 法務インサイド「新人弁護士「青田買い」過熱 合格前に内定も」記事のご案内

 本日10/11付の日本経済新聞 電子版 法務インサイドにて、新人弁護士の採用状況に関する記事が掲載されました。


■ 新人弁護士「青田買い」過熱 合格前に内定も

 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21941970V01C17A0000000/


 本記事には弊社からも各種データを情報提供させていただき、弊社野村のコメントも掲載されております。


 引き続き弊社では法曹の魅力向上、法科大学院志願者増のために、各大学様、法科大学院協会様、日本弁護士連合会様、また日本経済新聞社様はじめ各所メディア関係者様への報提供に努めて参りますので、今後とも宜しくお願い致します。



[2] 2017年 法科大学院修了生採用マーケットの動向

司法試験受験者の就活動向の変化

■ 司法試験の受験状況の推移

年度(修習期)出願者数受験者数合格者数/合格率
2014年度(68期)9,2558,0151,810/22.6%
2015年度(69期)9,0728,0161,850/23.1%
2016年度(70期)7,7306,8991,583/22.9%
2017年度(71期)6,7165,9671,543/25.9%

 *参照:法務省HP

 今年度司法試験の合格発表から1ヶ月が経過し、今年の修了生の就職動向が見えて参りました。今年の大きな特徴として、合格発表後に就活をしている修了生の数が昨年と比較しておおよそ半減していることが挙げられます。


 弊社が司法試験後と合格発表後に法科大学院修了生向けの就活セミナーを複数回開催しておりますが、司法試験後の5,6月開催のセミナーへの参加者が例年は各回約80名であるところ今年は約100名が参加、合格発表後の9月開催のセミナー参加者が各回例年30名前後であるところ今年は20名弱となりました。また、首都圏のいくつかの法科大学院で開催された合同企業説明会についても、例年より参加者数が減少しました。


 その原因として推測されるのが、本日の日本経済新聞の記事にもありましたが(1)就活時期の前倒しと(2)法律事務所による内定者の囲い込みです。


つづく弁護士・法務人材の需要増、供給減の構図

■ 司法修習終了者の就業状況の推移

 *各年6月時点(司法修習終了から約半年後時点)、70期・71期は司法試験合格者数 ジュリスティックス調べ


 直近の10年間、司法修習終了者数(≒司法試験合格者数)は、上記の通り、当初2,000名前後で推移していましたが、68期(主に2014年合格者)で1,800人台に減少し、70期(主に2016年合格者)で1,500人台にまで減少しました。


 司法修習終了者の就業状況の内訳は、毎年約160~170人が裁判官・検察官に任官しており、その人数は司法試験合格者数が2,000人台から1,800人台に減少した後もあまり変わっていません。


 合格者が1,500人台に大幅減少した70期において、任官者の数も減少するかは注目されるところですが、仮に任官の人数が今まで通り160~170名前後だとすると(大きく減少する可能性は低いと思われます)、残りの約1,400人を法律事務所と企業が取り合う形になるでしょう。


 法律事務所の採用数は、1,800人台に減少した68期時点で1,407人となっており、翌69期は1,451人とむしろ採用数を伸ばしていますから、この時点で既に採用数が供給数を上回っており、70期以降の新卒採用は人材の取り合いとなることが容易に想像されます。


弁護士・法務人材需要増と今年の修了生の就活動向の背景

 新人弁護士の採用マーケットにおける重要な指標となるのが5大事務所(西村あさひ、アンダーソン・毛利・友常、TMI総合、長島・大野・常松、森・濱田松本)の採用状況です。下記の通り、5大事務所はリーマンショックの影響が大きかった2010年を底に、合格者数と反比例して毎年採用数を伸ばしています。


■ 5大事務所の新卒採用の推移

 *各年1月末時点(司法修習終了から約1ヶ月後時点) ジュリスティックス調べ


 そもそも近年、弁護士・法務人材への需要が増加し続ける要因は何か? という点について、その主な要因となっているのが、大企業を中心とした「ビジネス領域における法務ニーズの増加」です。


 経営判断における法的な視点からの判断やアドバイス、コンプライアンス・ガバナンスの整備、グローバル展開における外国法への対応や現地法人のコントロール、外部法律事務所との折衝等、枚挙に暇がありませんが、このような法務ニーズが大企業のみならず、そのグループ企業や地方の中小企業、ベンチャー企業にまで広がりを見せています。


 その結果、5大事務所に代表されるような渉外系や企業法務系の大手事務所への企業案件の依頼が増加し、法律事務所の弁護士需要が増加し続け、新卒採用の拡大につながっているというわけです。


 さらにここで問題となるのが、5大事務所をはじめとする上位事務所の新卒採用において、裁判官や検察官に任官するような優秀層が多いため、内定者の一部が任官のために辞退するケースが少なくないことです。


 実際に昨69期では、内定者の少なくない数が任官のために辞退し、当初予定していた人数を採用できなかった事務所もありました。合格者数(=供給数)の減少に加えて、上位事務所の採用拡大も相まって、今年の新卒(71期司法修習生)採用においては、
 (1) 昨年69期で当初予定していた人数を採用できなかった上位事務所が、内定辞退を考慮して多めに内定を出している
 (2) 弁護士の人材需要の増加により転職の可能性が高まっているため、予め多めに人材を確保しておきたい
等の事情で積極的に新卒採用を進めるとともに、内定者が辞退しないよう合格発表後の囲い込みを行っている結果、今年は合格発表後の採用マーケットに人材がいない(求人/説明会への応募者減)という現象が顕著に表れています。


2018年の採用活動はどうするべきか

■ 直近の弁護士・法務人材マーケット

企業におけるビジネス領域の法務ニーズ増
・経営判断における法的な視点と判断(ジェネラルカウンセル、CLO)
・コンプライアンス、ガバナンスの整備
・グローバル対応(外国法、現地法人・法律事務所の管理・折衝等)
・外部法律事務所との折衝、コントロール
・社内法律相談対応や教育
 etc…
 ↓
企業は弁護士と法務スタッフが不足、事務所は企業からの依頼が増加
・大企業のみならず中小企業やベンチャー企業まで法務組織の拡充が課題
・渉外系・企業法務系法律事務所への企業案件、各種依頼増
 ↓
企業、法律事務所ともに人材需要が高まる
・企業ではインハウスローヤー、法務スタッフの需要増
・渉外系・企業法務系法律事務所の弁護士需要増
 ↓
大企業、大規模事務所の人材確保のしわ寄せが発生
・中小法律事務所の弁護士採用競争激化
 ↓
採用時期の前倒し、夏採用の採用競争加熱
・企業、法律事務所ともに、人材確保のために採用活動の早期化と内定出し増
・弁護士・法務人材の採用競争加速
・従前の報酬では採用できなくなってくる(弁護士、法務人材の給与水準の上昇)


 上位事務所の囲い込みの影響等もあり、例年10月の東京三会を目途に採用活動、内定出しをしている中堅規模や地方の法律事務所が今年は採用に苦戦するでしょう。すると、この採用マーケットの変化を受けて、来年は中堅規模事務所や地方法律事務所も採用時期を早め、夏採用がさらに激化する可能性も高いでしょう。


 来年の修了生の採用活動、特に弁護士(司法修習生)の新卒採用領域においては、需要>供給という構図が当面は続くことになると思われますので、司法試験後5月から8月までに、早期に採用活動を実施し、内定後のフォローをすることが重要になってくるでしょう。


 また、新卒の採用活動におけるひとつのヒントとして、今年の企業の法務人材採用に見られた新たな動向として、「夏採用で内定を出してしまい、合格発表の結果を受けて、修了生に就職を判断してもらう」という方法があります。


 「不合格だった場合にはすぐ入社、合格した場合は司法修習に行っても良い」という、今まで見られなかった柔軟な形態での内定出しをされる企業が今年は散見されたのですが、これらの企業は実際に入社率が高かったので、ひとつの採用手法としてご検討いただくと良いかもしれません。来年度以降の採用マーケットにおいて増えてくる可能性があります。


 また、弁護士・法務人材の需要増から流動性も高まっていますから、中途採用で条件の合う方をピンポイントに狙っていくという方法も良いと思います。いずれにせよ、弁護士・法務人材のご採用において、お困りのことが ございましたら是非弊社までご相談ください。



[3] 立命館大学法科大学院との連携協定締結について

 このたび株式会社ジュリスティックスは、立命館大学法科大学院と学生の進路支援・キャリアサポートにかかる各種支援活動に関する「キャリア支援に関する連携協定」を締結しました。


■ 株式会社ジュリスティックスとの連携協定締結について

 http://www.ritsumei.ac.jp/lawschool/news/article.html/?id=49(立命館大学法科大学院HP)


 以前より同法科大学院におかれましては、個別校向け就活セミナーや新入生向けキャリアセミナー等を実施して参りましたが、今後は同法科大学院の学生に向けてより一層の就職・キャリア支援活動を行って参ります。


 他法科大学院様におかれましても、学生の就職・キャリアサポート支援に各種支援活動にご関心がございましたらご相談いただけますと幸いです。


 <お問い合わせ先>
 E-mail:shota.okubo@juristix.com
 TEL:03-6441-0708
 担当:ロースクール支援事業部 大久保



[4] 「社内弁護士・法務人材採用セミナー」のご案内

 2017年6月時点の弁護士登録状況を調査した結果、組織内弁護士(企業、公的機関、その他団体)に所属する弁護士数は2,059名、企業単独だと、1,829名でした。

 また、企業に所属する弁護士の内訳は以下の通りです。


■ 企業内弁護士の所属状況
2017年6月時点 2016年6月時点
メーカー 576名 509名
金融 507名 509名
サービス 306名 245名
IT 181名 169名
その他 259名 234名
総計 1,829名 1,611名

 企業内弁護士は、この1年で218名増加しており、業種を問わず弁護士の採用が進んでいます。来年には2,000名を突破しそうです。ITがやや伸び率が少ないように見受けられますが、近年では、 金融とITを組み合わせたFinTechや、IoTなどのインターネットを活用した製造業、ITを活用したコンサルティング等、ITに関連した様々な製品、サービスが多数出てきており、実質的にはIT関連業界における弁護士の裾野は広がっていると言えるでしょう。


 本セミナーでは、様々な事例を紹介しながら、最新のマーケット情報のデータ、企業の法務組織、業務内容に応じた採用方法や来期の採用計画についてご説明いたします。弁護士・法務人材のご採用について、お困りのことがございましたら、まずは本セミナーへご来場ください。


■ジュリナビ「社内弁護士・法務人材採用セミナー」概要

日時 2017年12月8日(金)14:00~16:00
場所 〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-10-1
虎ノ門ツインビルディング西棟地下1階 会議室
費用 無料
参加方法  参加ご希望の方は、下記内容をご記入の上、ご連絡くださいませ。

 ・件名     :採用セミナー参加お申し込み
 ・貴社名    :
 ・御参加者氏名 :(ご人数様分)
 ・御参加者部署名:
 ・TEL    :
 ・メールアドレス:
 ・お申し込み先 :contact@jurinavi.com 大久保宛

 また、セミナーのご来場が難しい企業様におかれましても、弊社コンサルタントが貴社の法務組織のご状況、法務人材のニーズ等をお伺いし、各種採用方法をご提案いたしますので、まずはご一報いただけますと幸いです。

 皆様のご参加・お問い合せお待ちしております。



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1. 本記事の調査は、官報、各日時点の日本弁護士連合会の弁護士登録情報等の公開データをもとに作成しています。
2. 本記事の調査はできるだけ正確性を保つよう合理的な努力をしましたが、所属弁護士数は日々変動し、かつ異動情報がタイムリーに日本弁護士連合会に提供されるとは限らないため、調査結果について完全性、正確性を保証するものではありません。
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